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シャイニーストッキング

第16章 もつれるストッキング5  美冴

 34 慈しみの感触

 バタン…
 その玄関ドアの閉まった金属音が、わたしの心の決壊のトリガーとなった。

「あ、う、む……」
 彼を玄関框の壁へと強く押し付け、わたしは唇を貪るかのようにキスをする。

「あ…み、みさ……」
 そして舌先で唇をこじ開け、ねじ込み、絡め、爪先を立てて、カラダを預けていく。

 すると彼の唇は緩み、わたしの舌先を受け入れ、絡め吸ってきた…

 あ……
 わたしはこの舌先同士の絡まる感触の快感に、一気に力が抜けてしまい、そして、両腕で抱き締められて…
 いつの間にかに、態勢は入れ代わり、わたしの方が壁へと押し付けられてしまった。

「あ…ん、んん…」
 唇から流れ込んでくる、彼の熱い想いの証でもある唾液の甘さに、わたしは瞬く間に心を酔わせてしまい…
 完全に膝の力が抜けてしまい、ゆっくりと崩れ落ちるようにしゃがみ込んでしまう。

 そんなわたしを彼は抱きかかえるかのように左手を背中に回し、わたしはその腕に寄り掛かるようにしゃがみ、座る…

「さぁ、ウチはホテルじゃないからさ…」
 彼は唇をスッと外し…
「さあ、脱がしてあげるから」
 そう言って、右手を膝に置き、ゆっくりとストッキングの感触を確かめ、愛でるかのように脛へと下ろしていき…

「あ、ん…」
 そのストッキング愛に溢れる、正にストッキングフェチの慈しみのある愛撫のような感触の快感に…
 わたしは思わず喘ぎを漏らし、ビクッと触れられている右脚を小さく震わせてしまう。

 その彼、大原浩一のストッキングフェチ特有な、嗜好愛たっぶりの優しく、慈しみの手指の感触は…
 正にストッキングラブといえる快感であった。

 触られただけでこんなに感じたのは、あの亡き、愛しい『ゆうじ』以来だわ…
 心が濡れ、震えてくる。

「さぁ…」
 彼はそう呟き、ヒールを軽く掴み、スッと脱がす…
 そして、露になった、ストッキングの爪先を…

「ぁぁ……」
 ストッキングラブなオトコ達にとっては羨望の存在といえる、ストッキングの三日月補強の爪先を、そんな、小さな感嘆の呟きを漏らしながら凝視をし…
 そしてヒールを框に静かに置き、その爪先を、人差し指で愛でるかのように撫でてきた。

「あぁ…ん……」

 そして…
 脚を優しく持ち上げ、ストッキングの爪先に唇を寄せてくる。



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