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シャイニーストッキング

第16章 もつれるストッキング5  美冴

 35 恍惚の昂ぶり

「ぁぁ……」
 ストッキングラブなオトコ達にとっては羨望の存在であるストッキングの爪先を、まるで垂涎の的を見るかのように見つめ…
 その脱がしたヒールを玄関の床に静かに置き、その爪先を人差し指で愛でるかのように撫でてきた。

「あぁ…ん……」

 そして…
 この脚を優しく持ち上げ、頬ずりをし、唇に含んできたのである。

「あぁ……」
 わたしはその瞬間、ビクッと脚を震わせ、心を疼かせる。

『あぁ、ゆうじと同じだ…』
 そうよ、やっぱり間違いなくストッキングラブなオトコだ…
 と、わたしはゆうじに初めて抱かれた夜を思い返す。

 あの初めての夜も部屋に入り、玄関ドアを占めた瞬間にきつく抱かれ、そのまま壁に押し付けられ、キスをされて、そして…
 その流れの勢いのままにヒールを脱がされ、ストッキングの爪先を舐め、しゃぶられ、愛されたのだった。

「あぁ……あ………」

 ゆうじと同じだ…

 そう思い返しながらストッキング脚を彼に預け、秘かに感動を覚え…
 今夜、これからのストッキングラブという快感の予感に心を震わせ、昂ぶらせてしまう。

 そして、もういつの間にかに…
 あれほどわたし自身の心を激しく揺らがせ、高鳴らせていた『欺瞞』も『罪悪感』も『背徳感』等々の『裏切りの欲望』という昂ぶりの荒波が、いつの間にかに静かに、穏やかになりつつあった。

 逆に今、心いっばいに溢れつつあるのは…
 これから感じるであろう、彼との『ストッキングラブ』という、淫らで甘美なフェチによる陶酔の昂ぶりの期待感である。

 それは初めて彼、大原浩一に抱かれた夜に十分に伝わってきたストッキングフェチの愛情の露れであり…
 目の前に捧げたわたしのストッキング脚を、一瞬の迷いもなく愛してくれた恍惚の愛撫であった。

 そして今…
 ヒールを脱がせたストッキング脚の爪先を迷いなく唇に含んで、愛でてくれるそのストッキングラブそのものの所作。

 ズキズキズキズキズキズキ…
 一気に、自律神経の暴走なんて言い訳にしてしまうほどのメスの淫らな昂ぶりの疼きが、心いっぱいに溢れ…
 わたしを、思考を完全に支配してきた。

「あ、あぁん、じ、常…あ、こう…あ、あなたぁ……」

 わたしは心から大原浩一というオトコを、いや、オスを求め、喘ぎ、恍惚に震えていく…


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