テキストサイズ

シャイニーストッキング

第4章 絡まるストッキング3 大原本部長と佐々木ゆかり部長

 98 柔らかな唇

「美冴さんのあの艶やかに濡れた唇が…」
 わたしがそう言った時であった。

 美冴さんの唇が…

 あっ…

 わたしの唇に…

 ああ…

 心が震える…

 心が蕩ける…

 なんて、なんて…

 その唇は…

 なんて柔らかく…
 
 なんて甘い…

 彼の、いや、今までの男達の誰にも感じた事のない…

 柔らかさ…

 甘さ…

 なんて感触なんだ…

「あ…」

「ん…」

 美冴さんの舌先が一瞬、わたしの唇を押し開こうとしてきたのだがすぐに引っ込み、そして、スッと唇が離れた。

「あ、あ、ご、ごめん…つい…」
 美冴さんの声が震えている。

 ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ…

 ザワザワ、ザワザワ、ザワザワ…

「う、うん…」
 わたしは同性と初めてキスをした。

 ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ…

 ザワザワ、ザワザワ、ザワザワ…

「ごめんなさい…
 ゆかりさんがあまりにも…」

 ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ…

 ザワザワ、ザワザワ、ザワザワ…

「あまりにも可愛いく感じちゃって…
              つい…」

 なんだろう、この昂ぶりは…

「ごめん…やっぱりこんなんだから友達どころじゃ…」
 美冴さんはそう呟いてきた。

「ううんっ、いいのっ…」
 しかし、わたしは慌ててその言葉を遮る。

 いいの、嬉しいの…

 もっと、もっとキスしたい…

 美冴さんの唇を感じたい…
 だが、さすがにそれは伝えられない。

「いいの、嬉しかった…」
「えっ…」
「うん、嬉しかった…」
「えっ、だって、こんな、変態じゃ…」
 その時わたしはすかさず、右手の人差し指でその美冴さんの唇をシーッというポーズで押さえる。

 いいの、その先は言わないで…


「お友達になって、色々話しをして、もっともっとお互いをわかり合って、好きになって…」
 わたしはまだ美冴さんの唇を人差し指で押さえていた。

「もっとお互いを好きになって…
      美冴さんに愛して欲しい…」
「えっ…」
「愛して欲しい…
 そのくらい仲良しになりたい…」

 実は…
 わたしは驚いていたのだ、なぜなら、わたしの口からこんな言葉が出るなんて、とても今まででは考えられないからである。

 やはりわたしは変わってきているのだ…






ストーリーメニュー

TOPTOPへ