テキストサイズ

シャイニーストッキング

第5章 絡まるストッキング4 和哉と美冴1

 59 5年前、あれから…(45)

 わたしはふと、昨夜の想いを甦らせる。

 和哉をノーマルにしなくては…

 毎回のように、こんなストッキングラブなセックスばかりじゃダメなのだ。

 ちゃんとノーマルな愛撫、ノーマルなセックスを導かなくては…

「あぁ、ねえ和哉くん…」
 わたしは必死の想いで唇を離し、声を掛ける。

「シャワー、シャワーを浴びましょうよ…」

 この一昨日迄の4日連チャンのわたし達に、初めにシャワーを浴びるということは、いや、思いさえなかったのである。

 いつも互いに昂ぶり、激しく貪り合い、そしてストッキングの感触、匂いというモノに魅かれ、夢中になって愛撫をし合い、ストッキング直穿きで股間を舐め、しやぶり合う、そんなフェチ丸出しといえるようなセックスであったのだ。

 だが、普通の、ノーマルなセックスとは、大抵がまずシャワーを浴びて身を清め、お互いの愛を、愛情を、確かめ合いながら、心身を昂ぶらせ相対し、愛し合う…
 これがわたしの思うノーマルなセックスであり、今迄わたしが普通に抱かれていたパターンのセックスなのだ。

 だが、わたしと和哉は初めから違っていたのだ。
 そもそものきっかけが和哉のストッキング嗜好であり、初めては河川敷の駐車場に停めたクルマの中での手、指、口唇の愛撫からのストッキングの匂い、感触のペッティングであった。

 そして2回目の和哉にとっての童貞喪失は、河川敷からの勢いと流れによるセックスといえ、まず初めにセックス、そしてシャワー、そして再び愛し合う、という流れであったのだ。

 更に3回目は花火大会鑑賞からの車内での激しい昂ぶりからの流れであり、シャワーを浴びるには浴びたのだが、一緒に入り、お互いをボディーソープの泡で愛撫し合うという、ある意味ノーマルとはいえず、やはりストッキングラブにこだわった感じのセックスであった。

 そして4日目は偶然の流れとはいえ、SM的な拘束プレイまでしてしまったのだ。

 たがらこの4日間は、ノーマルなセックスはまるで皆無なのである。

 このままこの先も、こんな流れのセックスを続けていたら和哉の性癖が歪んでしまうかもしれない…

 それが昨夜のわたしの脳裏に、ふと、想い浮かんだ懸念なのである。

 そして、もし、そうなってしまったならば、それは全部わたしのせいなのだ…





ストーリーメニュー

TOPTOPへ