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シャイニーストッキング

第5章 絡まるストッキング4 和哉と美冴1

 58 5年前、あれから…(44)

 ラブホテルに入った途端に和哉は後ろから抱き締めてきた。

「美冴さん…」
「あ…ん…」
 抱き締められながらさり気なく目で部屋をチェックする。
 さすがにSMルームではなかった。

「美冴さぁん、待ちきれなかったんです…」
「あぁ、うん…」
 確かに、まさかクルマの陰でわたしを待っているとはさすがに思ってもいなかった。

「でも…嬉しかった…」
 これは本音である。
 昨日は5日連チャンを避ける為、そしてわたしの体を休ませる為にも、敢えて理由を付けて逢うのを辞めた。
 だが、今日のパート中に朱美さんに和哉の話しをされて、すっかり逢いたい想いの昂ぶりが増していたのである。
 だから、クルマの陰にいる和哉を見て、心から喜んだ。

「あっ…」
 和哉は後ろから本当に自然に前に回り込み、キスをしてきた。
 そのキスがあまりにもスムーズで心が震えてしまう。
 だが、もう、そのキスの巧みさには驚きはしない。
 それはこうした二人きりの時の和哉を、わたしの中で、一人の大人の男として認めたからであった。

 そしてキスをしながらわたしをベッドに寝かせてくる、その所作も実にスムーズで、既に女慣れした男のような錯覚に陥ってしまうほどであったのだ。
 そして唇を吸い、舌を貪りながら胸を揉んでくる。

 その揉んでくる力加減がまた、絶妙なのだ…

 あの初めての河川敷の車内では力加減など考える余裕さえなく、ただがむしゃらに、痛い位であったのに、今日が5回目の逢瀬とは思えない程の本当に絶妙な快感を生む力加減なのである。

 男って、皆そうなのか…
 ほんの僅かな時間でこんなに変わるのか…

 これは毎回、和哉に抱かれて思っていた、いや、思っている。

 毎回感じる、不思議な、いや、驚きであるのだ…

 そして和哉の手がゆっくりとフレアなスカートの中に侵入ってくる。
 そしてストッキングの感触を愉しむかのように、撫でながら、股間へと伸びてきた。

 ああ、感じる、感じちゃう…
 その手の感触に震えてしまう。
 本当に、その位巧みなタッチなのである。

 ああ、心が蕩ける…
 わたしはそんな和哉の愛撫に身を任せていく。

 あ、そうだ、ダメなんだ…
 その快感に浸りながら、ふと、昨夜の想いを甦らせた。

 和哉をノーマルにしなくては…




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