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シャイニーストッキング

第6章 絡まるストッキング5 和哉と健太

 36 蒼い瞳

 シャワーから出るとリビングルームの灯りは間接照明のみに落とされ、窓にはレースのカーテンを透かしてツインタワー的にも見える東京都庁が見えていた。

 あ、こんな感じに見えるのか…

 このマンションに越してきてまだ二年くらい、ほとんど寝るだけの場所と化していたから、全くこんな夜景など気がつかなったのである。
 それに美冴さんに言い訳の嘘を付いた訳ではなくて、本当にこの部屋には女性が入った事は母親が二度程くらいしかなかったのだ。
 いつも遊ぶ彼女が出来ても彼女の部屋か、ホテルを利用していてこのプライベートルームは完全に隔離をしていたのであった。

 美冴さんは上か…

 俺はそう想い、螺旋階段の上もうっすらと間接照明のみでボウっと灯りの点った部屋を見上げる。

 上に美冴さんがいる…

 そう思うだけでジンジンと気持ちと共にアソコも硬く昂ぶってきてしまっていた。 
 そして俺は昂ぶる気持ちを押さえられずに螺旋階段を登っていく。

 あっ…

 そこには枕元の間接照明に照らされた、女神がいたのである。
 美冴さん曰く、いやらしいダブルサイズのベッドの中央に黒いキャミソールを纏った女神が俺を微笑みの表情で見つめながら座っているのだ。

 な、なんて…

 やや濡れ髪に黒いキャミソールを纏い、薄い太腿で留まるストッキングを穿いた女神が俺を見つめている。
 その目は艶やかに光り、一昨夜の激しい欲情に濡れた瞳の輝きとは全然違っていた。
 
 一昨夜の欲情の瞳が激しい嵐の様であると称せられるならば、今夜のこの目の前の艶やかな瞳は、しっとりと降りそそぐ春雨の様な穏やかな艶の瞳と称せられるのだ。

 うわぁ、ゾクゾクしてくる…

 そしてその美冴さんの艶やかな、深い、蒼い瞳には、今までの様々な想いを映し出している様な蒼い瞳に、俺には感じられるのである。

 そしてその蒼い瞳が俺を誘ってくるのだ…

 早くきて……と。





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