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シャイニーストッキング

第6章 絡まるストッキング5 和哉と健太

 56 真実(まみ)③

 ああ、堪らないやぁ…
 心が思わず震えてしまう。

 こうした愛撫は僕自身も、本当に久しぶりであったのだ。

 大学入学直後から、あのファミレスでバイトを始め、そして一緒にシフトがよく被り、それがきっかで脚の綺麗な彼女と付き合ったのだが、その時以来であったと思う…

 その彼女にはハッキリとはカミングアウトできなかったのだが、なんとなくだがわかって、伝わっていた様には感じてはいたのだ。
 たが、こうしたヒールを脱がせての愛撫は出来なかった。
 さりげなく、ごく普通に、前戯の最中にストッキングを脱がしながら…みたいな感じでしかできなかったのである。

 それに、あの美冴さんに普通の女性の、ノーマルな愛撫の仕方を仕込まれていたから、逆に余計にプレッシャーとなってもいたのであったのだ。

 だが、この真実は違ったのだ…

 真実自身が僕の隠していたこのストッキング脚フェチ嗜好に気付き、優しくカミングアウトを誘導してくれた感じであった。
 だから僕的にもすんなりとカミングアウトできたし、こうしたシチュエーションでの愛撫にも躊躇なく、すんなりと出来たのであったのだ。
 それに真実自身もこんなフェチ嗜好をよく理解しているらしく、どうも、こうした僕との逢瀬を想定している様な夜には、予め、ストッキングを穿き替えしているようなのである。
 それはこんな爪先の匂いで僕にはなんとなくだがわかるのである。
 なぜならば、一日中仕事で穿いていた匂いと、この今もそうなのであるが、このハイヒールから直接脱がした脱ぎたての匂いは全く違うのだ。
 昔の朱美さんのように脂症の人のは激臭であった、それが、普通なのである。

 だからこんなフェチ嗜好に対しての細やかな配慮をしてくれる真実には、本当に感謝をしているし、愛情の高なりも感じていたのだ。

 だが…

 しかし…
 
 しかしなのである…

 この失われた五年間の思い人、美冴さんが現れてしまったのだ。
 真実の事が嫌いとか、イヤだという事では全くないのであるが、この想いの差は埋めようがないのである。

 そもそもが、この駒澤大学に入学し、この東京に住む、これ自体が全て美冴さんへの切望の現れであり、この僕自身の存在自体も美冴さんへの切望の想いからなのである…






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