
シャイニーストッキング
第8章 絡まるストッキング7 本部長大原浩一
69 ゆかりの優しさ
「本当に、お母さまは大丈夫なんですよね?」
「ああ、本当に大丈夫だよ、ありがとう…」
私は、精一杯頑張って答える。
「ああ、よかったわぁ」
すると、そうホッとした様な声に変わったのだ。
そして私も全く意味は違うのだが、ホッとした。
「だってぇなんかぁ、浩一さ、あ、ほ、本部長の感じが変なんですものぉ…」
するとゆかりはそう言ってきたのだが、初めて、私の名前を呼ぶという失言をしたのである。
「うん、ありがとう」
それだけゆかりは本気で心配してくれたという事なのであろうが、その、そんな失言が更に私の罪悪感を刺激してきて、更に心の揺らぎを感じてしまうのだ。
「でもぉ、本当に良かったですねぇ」
と、心から喜んでくれる。
だが、それがまた、私の心をチクリと針を刺してくのであった。
「うん、まあ、結果的にはひと安心だよ…」
「ええ」
「でもさぁ…」
そして私は少しでも心を落ち着かせる意味もあり、昨夜の帰省中の新幹線内で浮かんだ間抜けな思いの話しをする。
「……だから結果的には慌てて帰らなくて、今日帰っても良かったんだよ…」
こるは、この話しは正に、自分自身への言い訳でもあったのだ。
昨夜、ゆかりに逢っていれば…
きよっぺとの運命の再会も無かったはずなんだ…と。
「でも、それは結果論、こうして安心できたから余計にそう思うわけであって…」
もし万が一、昨夜、二人で逢っていたならば…
「それはそれで、また、心配だったんじゃないんですか?
ていうより、わたしが心配でイヤだったかも…ですよ」
と、最も素晴らしい言葉を返してくれたのである。
だが…
そんなゆかりの優しい、思いやりのある言葉が更に私の罪悪感を感じさせてくるのであったのだ。
だが、だけど…
そんな罪悪感を感じ、心が激しく揺らいでも…
そしてゆかりにどんなに優しい言葉を囁かれても…
間違いなく…
今夜は…
きよっぺと逢瀬はするのだ…
いや、しなくてはいられないはずなのである…
青春云々な綺麗ごとでは無いのだ…
オスの、いやらしい本能なのである…
所詮、青春云々なんて言い訳なのだ…
「本当に、お母さまは大丈夫なんですよね?」
「ああ、本当に大丈夫だよ、ありがとう…」
私は、精一杯頑張って答える。
「ああ、よかったわぁ」
すると、そうホッとした様な声に変わったのだ。
そして私も全く意味は違うのだが、ホッとした。
「だってぇなんかぁ、浩一さ、あ、ほ、本部長の感じが変なんですものぉ…」
するとゆかりはそう言ってきたのだが、初めて、私の名前を呼ぶという失言をしたのである。
「うん、ありがとう」
それだけゆかりは本気で心配してくれたという事なのであろうが、その、そんな失言が更に私の罪悪感を刺激してきて、更に心の揺らぎを感じてしまうのだ。
「でもぉ、本当に良かったですねぇ」
と、心から喜んでくれる。
だが、それがまた、私の心をチクリと針を刺してくのであった。
「うん、まあ、結果的にはひと安心だよ…」
「ええ」
「でもさぁ…」
そして私は少しでも心を落ち着かせる意味もあり、昨夜の帰省中の新幹線内で浮かんだ間抜けな思いの話しをする。
「……だから結果的には慌てて帰らなくて、今日帰っても良かったんだよ…」
こるは、この話しは正に、自分自身への言い訳でもあったのだ。
昨夜、ゆかりに逢っていれば…
きよっぺとの運命の再会も無かったはずなんだ…と。
「でも、それは結果論、こうして安心できたから余計にそう思うわけであって…」
もし万が一、昨夜、二人で逢っていたならば…
「それはそれで、また、心配だったんじゃないんですか?
ていうより、わたしが心配でイヤだったかも…ですよ」
と、最も素晴らしい言葉を返してくれたのである。
だが…
そんなゆかりの優しい、思いやりのある言葉が更に私の罪悪感を感じさせてくるのであったのだ。
だが、だけど…
そんな罪悪感を感じ、心が激しく揺らいでも…
そしてゆかりにどんなに優しい言葉を囁かれても…
間違いなく…
今夜は…
きよっぺと逢瀬はするのだ…
いや、しなくてはいられないはずなのである…
青春云々な綺麗ごとでは無いのだ…
オスの、いやらしい本能なのである…
所詮、青春云々なんて言い訳なのだ…
