テキストサイズ

シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 93 希望の『望(のぞみ)』③

 お前には分かるよなぁ…

 よく分かるはずだよ…

 ヒロさんはそう言ってきたのだ。

 それはヒロさんもそうなのであろう、スポーツ万能な自分はある程度ならば何でも直ぐに上手く出来てしまうのである。
 だけど、ことサーフィンは違う様であるらしいのだ…

「いやいや、かなり手こずっているんだ、だけどさぁ…」
 ヒロさんはそう笑顔で言いながら、波に乗る楽しさ、素晴らしさ等々を熱く語ってきたのである。
 そんなヒロさんの言葉に私は魅了されつつあったのだ。

 そしてその間のノンはいつの間にかに、ヒロさんの彼女と仲良く話していたのであった。

 するとノンは…
『よぉし、わたしはサーファーガールになるっ、そしてお姉さん見たいに素敵な女になるんだ』
 と、突然、ヒロさんの彼女を指して、熱くそう言ってきたのである。

『だからぁ、こうちゃんもサーファーになろうよっ』
「そうだよ、大原、俺が連れていって色々教えてやるから、サーファーになれ、ヤンキーはもう卒業しろっ」
 これが私自身が変わるきっかけになったヒロさんとの再会の出会いであるのだ。
 
 そしてその直後から二人はヤンキーからは卒業をし、私はサーファーにデビューをし、ノンはサーファーガールデビューをしたのであった。

 そして、そのきっかけは、そんなノンの
『わたしはサーファーガールになるっ』
 という言葉であり、その一言がこの絶望のモヤモヤの中で燻っていた私自身の心に新たに明るい道標を指し示してくれた望み…
 導きの言葉であり…
 そんなきっかけの全てであり、そして、今、現在に通じている…


 それが、私にとっての
『希望の望(のぞみ)』なのである…





ストーリーメニュー

TOPTOPへ