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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 133 この数日間の出来事…

「………んん、はっ…」
 きよっぺの寝顔を見ながらそんな事を考えていると、私の気配を察したかの様に彼女は、ハッと目を覚ましてきたのだ。

 この勘というモノはゆかりも律子も鋭いから、三人の共通点といえるか…

 あ、いや、美冴もだ…

 いや、この女の勘というヤツは、世の中の女性殆どに通ずる共通点といえるのだと思われる…
 そして私は美冴までもが浮かび上がり、自分自身に呆れ、自虐の想いが湧いてきてしまう。

 ゆかり、美冴、律子、そしてこのきよっぺと…
 ここ最近で四人目なのだ。

 それは本当にここ数日間の事なのである…
 先月の7月末の25日の夜から始まって、今夜の8月11日までの約18日の間に、なんと私はこの傍らで目を覚ましたきよっぺを含む四人の女性達と、約13夜の逢瀬を交わしてきたのであった。

 どうかしている…

 いや、異常であるのだ…

 そしてほぼ日替わり的ではあったのだが、こうまで女を抱ける、つまりは勃起する、いや、勃起てた…
 と、いう自分自身の事実に信じられないでもいたのだ。

 私は今までの過去の女性関係を思い返し、顧みても決して精力絶倫の類の男ではない…
 だが事実、こうして勃起って、彼女達を抱けた、愛せた、交われたのであった。

 そしてそれが、今、いちばん驚いているし、呆れているし、自分自身を蔑んでしまってもいるのである。

 モテ期というヤツなのか…

 いや、違うな、やはり女難なんじゃないのかな…

 約3年前に離婚した。
 そしてその後の1年間は女っ気は全くなかったのだ。

 変化が起きたのは離婚後の2年目からであった…
 まず私自身が、山崎専務から引き上げられてコールセンター部部長に昇進した時期に、佐々木ゆかりがキャリアアップによる課長昇進と共にコールセンター部に異動してきた事が始まりなのである。

 そしてほぼ同時期に彼女からのアプローチにより付き合いを始めた…
 それからの約2年間は彼女一筋であり、そして確実に愛情が高まり、昂ぶってきていたのだ。

 そして、今、現在も彼女、佐々木ゆかりを愛している事に間違いはないし、更に高まっているのも、つい最近、実感したばかりなのである…

 だが…
 現実にはこの有様なのである。


 

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