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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 134 4人の彼女達

 だが…
 現実にはこの有様なのである。

 僅か、約3週間で4人の女性達と、そして、連日連夜といっていい程の頻度で逢瀬を繰り返してきているのだ。
 しかも、その4人のいずれの女性達は皆、どこに出しても恥ずかしくない、いや、4人ともが素晴らく魅力溢れる美女達なのである。

 しかし、かく言う私は、ごく普通の40歳になる、何処にでも居る様なサラリーマンなのだ…

 きっかけは何だ…

 何だったのだろうか?…

 
「…あぁ、もう、ヤダわ、オバさんの寝顔見ないでよぉ…」
 そう思い返していると、きよっぺは顔を手で覆いながらそう呟いてきた。
 
「え、あ、いや、うん…」
「もぉ、すぐそうやって顔を見てくるんだからぁ」
 だが、その言葉の割には、そこまでの嫌悪感は感じられない、いや、逆に高揚感を感じてくる。

 まだ彼女にも、さっきの絶頂感の余韻がたっぷりと残っているのだろう…
 と、思われた。

「そんなオバさんには見えないって…」
 私はそう囁きながら彼女を引き寄せる。
 そして、散々、自虐しているクセに再び欲情の想いが昂ぶってきたのだ。

 それは自分自身でも本当に不思議な感覚であった…
 過去を振り返っても、これ程の昂ぶりは久しぶりか、いや、記憶には無い。

 今夜のこのきよっぺを抱いた絶頂感の余韻の類いが、ゆかりを思い返してくる様な同等なモノだからなのだろうか?…
 ゆかりを思い浮かべると、この昂ぶりの余韻と、そして真逆な罪悪感の二つが湧いてくるのである。

 この罪悪感が、ゆかりと同等にきよっぺを愛した、いや、愛情を認識している…
 と、いう証しなのだろうか?

 ゆかりや律子、揚げ句には美冴までも思い浮かべてしまっていては、とてもでは無いが、尖る、いや、女に尖るとはとてもいえない…
 本当に我ながら情けなくなってくる。

 どうするんだ、あの3人に更に、きよっぺ、彼女も1人新たに加わったのだ…

 こんなんでは、この先乗り越える事なんてとても出来そうにもない…

 ましてやこのきよっぺなんて、東京ではなく、こんな田舎の実家に居る女であり、しかも、20年振りの再会の元彼女なんだ…

 東京に戻ってしまえば忘れるはずさ…

 そうだ…

 そうだよ…

 今だけ…

 今夜だけ…

 この先だって、実家に帰ってきた時だけさ…




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