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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 154 ゆかりとの電話 ⑬

 元カレって…

 ヤらせちゃえって…
 
 なぜか一瞬、私に対しての嫌味に聞こえてしまってドキッとしたのであった。

「え、あ、そうなんだ」

 まさか…
 まるで昨夜、今夜とのきよっぺとの逢瀬でも知っているかの様な、そんなゆかりからのタイムリーな話題が、まるで嫌味の様にに聞こえてしまってきたのだ。

 偶然なのだろうが、本当になんという勘なんだ…
 思わず驚きを通り越して、呆れてしまっていた。

『あら、まさか…』
「え、な、なに…」
『うふ、冗談ですよ、あまりにも敏感に反応してくるから少し揶揄いました』
 と、笑いながら言ってきた…のだが、私にとってはあまりにもリアルで、タイムリー過ぎてしまい、きつい冗談である。

「もうそんな揶揄うなんて、やめてくれよ」
『でも、高校生までそっちにいたんですから当然元カノの1人や2人はいますでしょう?』
 完全にゆかりは揶揄いモードに入っている様である。

「え、あ、ま、まあ、そりゃあ…」

 1人や2人はいるどころか、事実、2日続けて偶然再会を果たし、しかも1人目のきよっぺとは
『焼けぼっくいに火が点いて…』しまった状態ではある…のだ。

『でも、この時間に電話を頂けたんで…
 さすがに本気で疑ってはいませんから、うふふ…』
 と、とりあえずは安心な言葉を言って笑ってくれた。

 この時間…
 午前0時、確かにセーフの時間かもしれないな…

「そ、それにしてもヤらせちゃえば…ってとは?
 穏やかじゃない様な気がするけど…」
 と、私は話しの矛先を必死に変える。

『あっ、ええ、なんか5年振りに偶然再会して、すぐ近所に住んでいて…
 でも優しくて、いい人なんですって…
 それでストーキングの心配も無いし、お友達も決して嫌いで別れた訳では無いから、この再会をどうしようか?…
 みたいに相談されたんです』

「そうなんだ…
 だが、私には何となく危険に感じるけどなぁ」
 これは本気でそう思った。

『ええ、でもほら、もしもの流れの時にどうしようか?…みたいに相談されたお話しですから…』
「あ、そうなんだ」
『はい、そうなんです…
 それで、わたしだったらヤらせちゃうって…
 それでお互いにスッキリできるならば…って感じです…』

「なるほど…」
 私は再びズキンと胸が高鳴ってしまっていた。



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