
シャイニーストッキング
第8章 絡まるストッキング7 本部長大原浩一
166 前向きなウソ
ウソも方便なのである…
「実は急にさぁ、 今夜今から同級生達から誘われちゃってさぁ…」
『え…、そうなんだ…』
きよっぺは少し落胆気味に声のトーンが下がった。
「うん、そうなんだよ」
私自身も声のトーンを下げて、必死に演技をする。
ウソも方便なのであるから…
『そうよね…
こっぺは人気者だったしね…』
少し胸が痛む。
「とりあえず終わったら電話するよ」
ゆかりに対して持つ様な罪悪感とは、また違っ意味の罪悪感が心に湧き上がってきていた。
だが、ウソも方便なのだ…
バレなければウソでは無いのだ。
しかもこのウソはきよっぺを否定する意味のウソでは無くて、少しだけ待ってもらうためのウソなのである。
だが、なぜが罪悪感で胸が痛む…
それは、やはり、ウソを付いているせいだからか。
『うん分かったわ、電話待ってるからね…』
「うん…」
胸が、心がザワザワと騒めく。
『あ、ゆっくり楽しんできてね…』
この言葉で、ザワザワがズキズキと騒めきから痛みへと変わった。
やはり…
ウソは苦手だな…
出来ればウソなんか付きたくは無いのだが…
でも、これは仕方ない事なのだ…
きよっぺを、彼女を、傷つけないが為のある意味、前向きなウソといえるのだから。
それに…
この前向きなウソは、これからの私にとって必要不可欠な必需品的な存在になるのである。
なぜならば…
これからはもっと、もっと、更にもっと、尖って行かなくちゃならないからだ。
ゆかりの為にも…
律子や美冴の為にも…
この先、もっともっと、ウソが上手にならなくてはいけないのである。
「ふうぅ…」
タバコの煙を吐きながら、ついでにため息もつく。
「こうちゃん、お待たせ」
すると不意に、後ろからノンの対照的な明るく弾んだ声が聞こえてきた。
「あっ…」
振り向くとそこには、すっかりと大人の艶気を放ち美しい熟女になったノン、いや、自称『絶望ののぞみ』がにこやかな笑顔で立っていたのである。
そして私はそのノンの姿を見た瞬間に、今までのウソも方便的な前向きなウソ、ウソをつく、ついたという事に対して抱いていた心の中に湧いていた後ろめたさや、罪悪感という想いがあっという間にどこかに吹き飛んでいってしまったのだ…
ウソも方便なのである…
「実は急にさぁ、 今夜今から同級生達から誘われちゃってさぁ…」
『え…、そうなんだ…』
きよっぺは少し落胆気味に声のトーンが下がった。
「うん、そうなんだよ」
私自身も声のトーンを下げて、必死に演技をする。
ウソも方便なのであるから…
『そうよね…
こっぺは人気者だったしね…』
少し胸が痛む。
「とりあえず終わったら電話するよ」
ゆかりに対して持つ様な罪悪感とは、また違っ意味の罪悪感が心に湧き上がってきていた。
だが、ウソも方便なのだ…
バレなければウソでは無いのだ。
しかもこのウソはきよっぺを否定する意味のウソでは無くて、少しだけ待ってもらうためのウソなのである。
だが、なぜが罪悪感で胸が痛む…
それは、やはり、ウソを付いているせいだからか。
『うん分かったわ、電話待ってるからね…』
「うん…」
胸が、心がザワザワと騒めく。
『あ、ゆっくり楽しんできてね…』
この言葉で、ザワザワがズキズキと騒めきから痛みへと変わった。
やはり…
ウソは苦手だな…
出来ればウソなんか付きたくは無いのだが…
でも、これは仕方ない事なのだ…
きよっぺを、彼女を、傷つけないが為のある意味、前向きなウソといえるのだから。
それに…
この前向きなウソは、これからの私にとって必要不可欠な必需品的な存在になるのである。
なぜならば…
これからはもっと、もっと、更にもっと、尖って行かなくちゃならないからだ。
ゆかりの為にも…
律子や美冴の為にも…
この先、もっともっと、ウソが上手にならなくてはいけないのである。
「ふうぅ…」
タバコの煙を吐きながら、ついでにため息もつく。
「こうちゃん、お待たせ」
すると不意に、後ろからノンの対照的な明るく弾んだ声が聞こえてきた。
「あっ…」
振り向くとそこには、すっかりと大人の艶気を放ち美しい熟女になったノン、いや、自称『絶望ののぞみ』がにこやかな笑顔で立っていたのである。
そして私はそのノンの姿を見た瞬間に、今までのウソも方便的な前向きなウソ、ウソをつく、ついたという事に対して抱いていた心の中に湧いていた後ろめたさや、罪悪感という想いがあっという間にどこかに吹き飛んでいってしまったのだ…
