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好きぐらい言わせて
第1章 同じ学校
受験勉強に疲れた時、私はよくベランダに出た。
季節の香りが、鼻をくすぐっていい香りがする。
その中に仄かに香る煙草の匂い。
今日もあの人は、煙草を吸っている。
私が住んでいるマンションの隣には、またマンションがあって、端の部屋に住んでいる私は、隣のマンションの端に住んでいるあの人がよく見えた。
シャワーを浴びた後なのか、髪も下ろしていて、風になびいている。
煙草の火が暗闇に浮かんで、それが蛍の光に見えて、綺麗だなと、いつも思っていた。
「はぁ……あの人は私の事なんか、知らないのに。」
ただ煙草を吸っている姿を見るだけの関係。
それなのに、私は切なくて。
話しかけるには、どうしたらいいか、いつも悩んでいた。
季節の香りが、鼻をくすぐっていい香りがする。
その中に仄かに香る煙草の匂い。
今日もあの人は、煙草を吸っている。
私が住んでいるマンションの隣には、またマンションがあって、端の部屋に住んでいる私は、隣のマンションの端に住んでいるあの人がよく見えた。
シャワーを浴びた後なのか、髪も下ろしていて、風になびいている。
煙草の火が暗闇に浮かんで、それが蛍の光に見えて、綺麗だなと、いつも思っていた。
「はぁ……あの人は私の事なんか、知らないのに。」
ただ煙草を吸っている姿を見るだけの関係。
それなのに、私は切なくて。
話しかけるには、どうしたらいいか、いつも悩んでいた。
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