屋上にいたヤンキーくん
第1章 「俺と付き合ってくれね?」
中学の時はそんなに仲良くなかったはずなのに、高校入ってから話しかけてくるようになった。
「紀衣ちゃん…見してくれへん?」
「いいよー別に」
「ほんま?サンキュー!!」
寛太くんに英語のノートを渡した。
私は自分の席に着いた。
私の席は窓側の後ろから2番目の席。
隣はなぜか入学当初からずっと空席のまま。
たまに芽衣が座ってる。
「紀衣!聞いてー」
「なーに?」
芽衣がスキップしながら教室に入ってきた。
どうせノロケ話なんでしょ…。
「さっきさぁデートに誘われちゃった☆」
「ふーん…よかったねー」
「興味ないみたいな返事をしない!」
「痛っ!」
芽衣は思いっきり私の背中を叩いた。
実際興味ないんだけど…。