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綺麗なあの人に抱かれたい!

第7章 恋って何だろう?

 俯いてしまった私の視線の先には、まだ中身の残っている丼がある。ご飯食べながら告白とか、全然ムードないなあって思いながら箸を持ち直した。
 中途半端になっていた夕食を再開する。

「って、飯食うのかよ」
「だって、なんかスッキリしたからお腹すいた」
「空気読めよ」

 呆れたような声が聞こえた。

「奈々」
「なに」
「今日泊めて」

 はた、と箸が止まる。丼のみに注いでいた視線が、つい卯月さんへと向いてしまった。
 卯月さんは食べ終わったみたいで、器の上に箸を置いている。目を見開いている私を見て、可笑しそうに笑った。

「やっと、こっち見た」

 卯月さんの手がハンマーを握り、ピコ、と頭を叩いてくる。
 ピコピコと連続で遊ばれて、私は頬を膨らませた。わたし玩具じゃないのに。

「ご飯食べさせて」
「ご飯の前に、返事」
「………」
「泊まっていい?」

 話を流そうとしても無駄っぽい。
 だけど私は返事に迷った。

 卯月さんが今、私の部屋に泊まるって言ったその意図はさすがにわかる。
 でも、まだ自覚できたばかりなのに、この展開は早くないかな。

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