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綺麗なあの人に抱かれたい!

第8章 大好き!

 首筋から胸元へ、唇が滑っていく。
 もどかしいくらいの緩やかな刺激が襲う。
 初めて抱かれた時の激しさは、今日はない。
 優しい触れ方が嬉しかった。

「卯月さん……」

 名前を呼べば彼の顔が上がる。目が合って、また唇を重ね合う。
 ちゅ、ちゅ、と何度も啄むようなキスを何度も繰り返して、彼の唇が離れていく。

「卯月さん」
「ん?」
「あのね」
「うん」
「なんか、すごく幸せ」

 溢れそうな想いを口にする。

「俺も」

 即座に返された返事に笑顔が浮かぶ。
 胸に甘い感情が広がって、ああ、やっぱりこの人が好きなんだと実感した。

 卯月さんの首に両腕を巻き付けて引き寄せる。私からキスをせがめば、卯月さんも応えてくれる。それが嬉しい。

 深みと激しさを増してくる口付けに、徐々に身体が火照り出す。私も夢中でキスに応じた。

 もっと、たくさん触れたい。
 触れてほしい。
 訳わかんなくなるくらい、この人に溺れたい。

 AVの真似事をしてるんじゃなくて、私は今、好きな人に抱かれてるんだ。
 その幸せを噛み締めながら、彼に身を委ねた。

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