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綺麗なあの人に抱かれたい!

第8章 大好き!

 俺様な態度は相変わらず健在で、彼らしい口振りに安心してる自分がいる。
 ゆっくりと瞳を閉じれば、また唇に熱が落ちた。

 卯月さんの手が、バスタオルを解く。
 肌を撫でる指先が、卯月さんの唇が、ありとあらゆる場所に触れる。

 頬に、顎に、首筋に、耳の裏側。ちゅ、と愛らしいリップ音を奏でながら、卯月さんは私の身体にキスの雨を降らせていく。

 決定的な刺激は全然与えられていない。
 なのに、息が上がる。
 リップ音だけで、耳が犯されている感覚に陥る。

「あ……っ」

 吐息が触れる。
 生温い感触がゆっくりと輪郭を辿る。
 強すぎる刺激に思わず声が上がった。

「……奈々」
「……っ」
「……好きだ」

 耳元で囁かれた告白に胸が熱くなる。
 初めて抱かれた時も、今も、卯月さんは言葉で、唇で、全身で私への想いを伝えようとしてくれた。

 今ならちゃんとわかる。セックスがコミュニケーションだって言われる意味。
 身体を重ねるって、こういうことなんだ。

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