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綺麗なあの人に抱かれたい!

第9章 ☆後日談【1】恋する幸せを教えてくれたのは、あなたでした。

「あっ、だめイく、またイっちゃ……っ!」
「イけよ。だらしない顔見ててやるから」
「……っ!」

 遠慮なしに奥を擦られて、呆気なく果てる。
 もう、何度目だろう。

「卯月さん……」

 イったばかりだというのに、欲しがりな身体はやっぱり卯月さんを求めてる。
 縋るように彼を見上げてみるけれど、彼は冷めた瞳で見返すだけで応えてはくれない。
 埋めたままの指を小刻みに動かし始めて、朦朧としていた意識は一気に引き戻される。

「あ、やだ、やだ……!」
「何がイヤなんだよ。イキたいんだろ」
「ゆび、やだ、卯月さんのがいいっ」
「………」
「ね、おねがい、卯月さんのでいっぱいにして……っ、奥まで、いっぱい、ずんずんってしてよぉ……っ」

 自分が何言ってるかなんて理解する気もない。

 お腹の奥がきゅうきゅうして、苦しくて仕方ない。とにかく早く欲しくて、卑猥な言葉で彼を誘う。
 こんなにとろとろに蕩けさせておいて、指でイかされ続けただけで放置なんてひどすぎる。

「……くそっ」

 卯月さんの手が私の腰を引いて、強引に引き寄せる。勢いよく後ろへと押し倒されて、ぽふっと枕に頭が沈む。反射的に瞳を閉じた。

 両膝をグイと持ち上げられ、彼が腰が寄せてくる。ぱち、と目を見開けば、避妊具の袋を口にくわえた卯月さんの姿があった。
 ぴりっと乱暴に歯で破き、手早く準備を済ませた卯月さんは、憮然とした表情のまま、組み敷いている私を一瞥した。

「……物欲しそうな顔すんな」

 苛立ちを隠さない彼の姿に、私はしゅんと大人しくなる。

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