綺麗なあの人に抱かれたい!
第9章 ☆後日談【1】恋する幸せを教えてくれたのは、あなたでした。
あれ以来、卯月さんの口から元カノの話は聞かない。
だから私から話を振ることはなかったけれど、卯月さんが言わないだけで、本当はすごく辛い思いをしてきたのかもしれない。
「ごめんな、元カノの話持ち出して」
「ううん」
「……そうだよな。アイツと奈々は違うよな。……悪い」
弱々しい謝罪の言葉が耳元に落ちた。
本当に反省してるみたい。
「卯月さん」
「……ん」
大きな背中に両手を回してぽんぽんする。
子供をあやすみたいに。
「心配しなくても、わたし卯月さん中毒だから大丈夫だよ」
「………」
「卯月さん?」
「……余裕、あんまねぇんだわ。俺も」
力なく囁かれた呟きに、甘やかな感情が広がっていく。
卯月さんと元カノの間に何があったのかは知らない。知りたいとも思わない。
ただ私は、彼の気持ちが嬉しくてたまらないだけ。恋人として求められることが、嫉妬されることが、こんなに幸せなものだったなんて私は知らなかった。
あのね、卯月さん。
恋の楽しさを教えてくれたのも。
好きな人に抱かれる悦びも。
独占欲の嬉しさも。
教えてくれたのは全部、卯月さんなんだよ。
そう伝えたかったけど、私の顔を覗きこんできた彼に唇を塞がれて結局言葉にならなかった。
口付けられたまま緩やかに身体を揺すられ、私のナカで硬度を増すそれと比例するように、燻っていた官能の灯火も再熱する。
「んっ、ん……ぁ、卯月、さん」
「……っ、奈々」
唇を離した彼が、私の乱れた髪を梳く。露になった耳元に口を寄せて、何度も囁かれる愛の言葉。
これ以上ない幸福感に浸りながら、私は彼に身を委ねた。
《了》
だから私から話を振ることはなかったけれど、卯月さんが言わないだけで、本当はすごく辛い思いをしてきたのかもしれない。
「ごめんな、元カノの話持ち出して」
「ううん」
「……そうだよな。アイツと奈々は違うよな。……悪い」
弱々しい謝罪の言葉が耳元に落ちた。
本当に反省してるみたい。
「卯月さん」
「……ん」
大きな背中に両手を回してぽんぽんする。
子供をあやすみたいに。
「心配しなくても、わたし卯月さん中毒だから大丈夫だよ」
「………」
「卯月さん?」
「……余裕、あんまねぇんだわ。俺も」
力なく囁かれた呟きに、甘やかな感情が広がっていく。
卯月さんと元カノの間に何があったのかは知らない。知りたいとも思わない。
ただ私は、彼の気持ちが嬉しくてたまらないだけ。恋人として求められることが、嫉妬されることが、こんなに幸せなものだったなんて私は知らなかった。
あのね、卯月さん。
恋の楽しさを教えてくれたのも。
好きな人に抱かれる悦びも。
独占欲の嬉しさも。
教えてくれたのは全部、卯月さんなんだよ。
そう伝えたかったけど、私の顔を覗きこんできた彼に唇を塞がれて結局言葉にならなかった。
口付けられたまま緩やかに身体を揺すられ、私のナカで硬度を増すそれと比例するように、燻っていた官能の灯火も再熱する。
「んっ、ん……ぁ、卯月、さん」
「……っ、奈々」
唇を離した彼が、私の乱れた髪を梳く。露になった耳元に口を寄せて、何度も囁かれる愛の言葉。
これ以上ない幸福感に浸りながら、私は彼に身を委ねた。
《了》