綺麗なあの人に抱かれたい!
第10章 ☆後日談【2】それは甘くて幸福な日々。
◇ ◇ ◇
「あ、あんっ、だめ、指、バラバラに動かしちゃ……っ!」
私のナカを掻き乱す指先は、イイ所ばかりを押し当てて刺激を与えてくる。
その度に腰が跳ねて、身体が小さく震えた。
長い指が、2本。
埋められた箇所から、粘着質な音を響かせる。ぐちゅりと淫らな水音が、聴覚を刺激する。
下腹部が疼く。熱くなる。
頭の中が真っ白になりそう。
じわじわと、高みへ上っていく感覚が襲う。
「……奈々、イキそう?」
私の反応を窺いながら、彼は甘く囁く。
逆らえない誘惑に、屈してしまいそうになる。
でも私は、拒否するように首を振った。
「ふうん。足りない?」
唇を緩ませて彼が言う。
嘘なんて、とうに見抜かれている。
イキたくないなんて大嘘。本当はもう、イキたくてイキたくてしょうがない。
彼に愛され尽くされた身体は、既に限界を迎えていた。
気を抜けば、快楽の波に飲み込まれてしまいそうで。
だから、必死に理性を保つ。
いやなの。
まだ終わりたくない。
ずっと触れていてほしい。
イッたら終わりが見えてくるから、私は我慢するしかない。