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綺麗なあの人に抱かれたい!

第2章 抱いてください!

 その後は食器を片付けて、卯月さんの部屋を出た。本当に、ただ夕食をご馳走してもらっただけで終わってしまった。

 帰る頃には22時。
 深夜とはいえ、近くにはコンビニもあるし、大通りに近いせいか、こんな時間でもまばらに人が歩いている。
 とはいえ、危険が全く無いわけじゃないと、卯月さんが途中まで付き添ってくれた。

 ずっと他愛ない話で盛り上がっていたけれど、卯月さんは私に連絡先を聞こうとはしない。
 私も聞かなかった。
 「女を磨いてこい」なんて言ってたけど、彼の中ではもう、私と関わるつもりはないのかもしれない。
 そう思ったら何となく、私の方から連絡先を尋ねるのは気が引けた。

 結局当初の目的は達成できなかったけれど、それでも私の心は満ち足りていた。

 美味しいごはんと、楽しい会話のお陰かな。
 これで、あとは抱いてもらえたら最高だったんだけど。
 人の欲はどこまでも深い。





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