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綺麗なあの人に抱かれたい!

第3章 抱かないの?

 この人は本来真面目な人で、困ってる人を放っておけない性格の持ち主。俺様な態度が邪魔をして本質が見えづらくなってるけど、きっと、優しい人だ。
 それに、打ち解ければよく笑ってくれる。私にはきっと害のない人。

 そう断言できるほど、まだこの人を信用してる訳じゃないけれど。
 それでも、美味しいご飯を食べながら会話を弾ませるこの時間が、すごく楽しいと思ったから。

「また来てもいい?」

 それが私の出した答え。

「来たいときに来れば」
「週末の方がいい?」
「平日でもいいけど。19時頃にはいるし」
「うん」
「連絡先交換するか。来たい日に連絡して」

 卯月さんがスマホを取り出したから、私も慌てて箸を置いた。
 ポケットからスマホを抜いて、傾ける。ぴろん、と音が鳴った。

 男の人と連絡先を交換するのは慣れっこだけど、相手は全員セフレだ。セックスしたくなったら誰かしら呼んで、夕飯を食べに行ってからラブホに行くのがお決まりコースになっている。
 こんな風に、セックス関係なく男と連絡先を交換するのは久々かもしれない。

「……卯月さん」
「なに」

 若くてピチピチの現役女子大生と連絡先を交換できたにも関わらず、卯月さんは浮かれている様子もなく、態度も表情も普通だった。

「……ただ夕飯を頂くだけでは申し訳ないので、お礼と言ってはなんですが、私のカラダで、」
「いらね」
「………」

 即座に断られた。






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