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綺麗なあの人に抱かれたい!

第6章 なんか、寂しい。

 卯月さんと離れたくない。
 その思いだけは、はっきりと自覚してる。
 彼と一緒にいる為に、タケくん達にちゃんと話さなきゃ。一緒にいたい人ができたこと。

 そこまで突き動かす感情が恋愛なのか、それとも友情なのかはわからないけれど、彼と過ごす時間も彼が向けてくる想いも、私は手放したくないみたいだ。

 だから、今まで気ままに遊んできた時間を、今度はこの人と一緒に過ごす時間に変えたい。
 そう思ってること、伝えなきゃ。

 今まで散々遊んできたくせに何を今更、なんて罵られるだろうか。
 でも、タケくんなら理解して貰えるような気がした。

「卯月さん」
「ん?」
「あの、私達、お付き合いする事になるの?」

 以前、卯月さんは言ってた。好きな人じゃないと抱けないって。
 それほど堂々と言ってのけたんだ、交際もしていない子と身体を重ねるなんて、卯月さんの性格上しないはずだ。 

 まあ昨日は……しちゃったけど。
 でも、きっとあれは一度きりだ。
 私が卯月さんを好きだって言う日まで、この人はもう、私に手を出してこない。
 卯月さんは、筋は通す人だ。

「……そうなれれば、とは思ってる」
「………」
「奈々」
「……はい」
「俺と付き合って」

 はっきりと交際を申し込まれた。
 今度はちゃんと、付き合いたい意思を言葉にしてくれた。

 頬が熱くなる。
 鼓動が早い。
 くまちゃんを抱く腕がぎゅう、と強くなる。

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