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「ここだよ。」

見上げた場所は、高級ホテルだった。

一応、気は遣ってくれたらしい。

「ここのレストラン、よく利用するんだけど、美味しいんだよ。」

「へえ。」

という事は、結構お金持ち？

そう思った瞬間、自分の浅はかさに呆れた。

「どうしたの？」

「いえ、こんな高級ホテルのレストランに、毎回来れるなんて、どんな職業の人かなって思いまして。」

「ははは。保険の代理店をやっているんだ。一応、代表をしているけどね。」

「社長さんだったんですね。」

「そうは言っても、小さな会社だよ。」

私は、ホテルに入りながら、名刺を取り出した。

「私は、企画の仕事をしているんです。一応、課長職に就いています。」