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ポチは…チラリと私を見ると、険しい顔で睦人の方を睨んだ。
そして、いつになく…かなり低い声で言う。


「…お前が吉岡を何度も傷付けたんだ、いまさら都合のいいこと言って、吉岡を巻き込むな。
教室でセックスするくらい好きな女が吉岡じゃなくてもいるんだろ？そいつと付き合ってろよ、お似合いだよ。

周りの迷惑も考えらんねーやつが…誰かを傷付けることに躊躇いもねぇやつが、甘ったれたこと言ってんじゃねぇよ。」

「な…」

「…吉岡。帰るよ。」

「あっ、う、うん…」


（びっ、くりした…）

ポチがあんなに怒ってるところ、そんなに見た事なかったから…初めてかもしれないくらい。
…どうして、私の事でそんなに怒ってくれるの？

睦人のことが少し気にかかりつつも…ポチについていく。


「…大丈夫か？」

「え？」

「田口に…何もされてない？」

「あ、うん…大丈夫だよ、ポチ。」


心配してくれてたのか。
まぁ…あんな堂々と、嘘なのに彼女宣言してくるような睦人だし…ちょっとヤバイよね。


「…悪ぃな、少し熱くなっちまった。」

「ううん…私のためでしょ？ありがと、ポチ。」

「お前さ…今後は、気を付けろよな。」