神の口笛
第9章 9
グレイはエマの耳元に顔を埋め、しばらく沈黙があってから静かに言った。
「安心しろ。俺は無理矢理に襲ったりしない」
頬を赤らめて脱力するエマにそっと布団をかけながら、じんわりと後悔が押し寄せてくる。
この大切な存在を、俺自身が壊してどうする。
自責の念がつのり、思わず眉間にしわが寄った。
「…嫌じゃなかったら?」
「なんだ?」
「私が、もし…グレイを求めていたら…どうするの?」
「自分の言っている意味が本当に分かってるのか疑問だな…。」
「わ、分かってるよ!」
「言ってみろ。」
「だから…っ、SEXのこと…。私がグレイとSEXするのを、望んで、いたら…、ってことだよ。」
グレイは答えず、エマの唇を指で撫でた。
その指先は焦らすようにゆっくりと下がっていく。
「んっ…」
くびれのところでくすぐるような愛撫をすると、エマから吐息が漏れた。
ツーッと指が伝い、今度は乳房の先端を焦らして円を描く。
「やぁ…ぁあん」
「そうしたら、俺は止まらないだろうな…。」
「んん……グレイ……」
これほどに甘い声を、今まで聞いたことがあっただろうか。
ぷつりと糸が切れたように上着を脱ぎ捨て、よく知っているエマの感じるところをくまなく愛撫した。
可愛らしく鳴く彼女はベッドをびしょ濡れにさせて悦んだ。
グレイの底知れない情熱は、何度でもエマを絶頂へと導いた。
蜜壺の入口はとろとろに潤い、今にも指が滑り込んでしまいそうだ。
「怖いか?」
「ううん。」
男根をあてがうと、エマの両脚に力が入る。
華奢な身体を汚すような罪悪感を振り払うように、また熱のこもったキスをした。
「大丈夫だ。力を抜いて」
「ん…」
先端を挿入すると、エマは「ん…ぐぅ…」と低い声を漏らした。
痛いほど狭いエマの中で、肉棒はよりいっそう膨張する。
しばらくそうしたまま、そっと乳房を愛撫した。