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神の口笛

第9章 9


やがて膣の緊張がほぐれてきた頃、エマが言った。

「これが…SEX?」

「…まだだ。痛くないか?」

一瞬こわばった表情を見せたものの、彼女は小さく首を振った。


「どうするの?」

グレイはゆっくりと肉棒を奥へ差し込む。


ぐりぐりと押し寄せるその感覚に、エマはぎゅっと目を閉じた。

「んんぅっ……」

「もう少しだ」


「はぁっ…んん……どうしてこんなに大きくて硬いの…」

「…お前に欲情しているからだ。」




本当はエマを女として見ていた。

ずっと抱きたいと願っていた。


兄としての責務と裏腹に、狂おしいほど欲していた想い。

それらは血液の流れにのって、ペニスに集中しきっていた。




「私を抱きたかった?」

「…あぁ。」

愛おしそうに見つめてくるエマの視線が、罪悪感を拭った。




―――兄妹じゃない。




すべてがエマの中におさまると、一度引き抜いてまたゆっくりと突いた。

「んぁぁあっ」

そのあられもない姿を見た瞬間、頭が真っ白になった。

気遣う事もままならず、欲望のままに深いピストンをした。


揺れながら、エマは何度もキスをねだり、グレイの上半身をくまなく触り続けた。



最初は強烈な痛みがあったのに、だんだんと膣の中を擦られるたびにおかしな感覚がしてきた。

繊細な、誰にも見せられないような生の肌と肌が、深いところで絡み合っている…――


「あっ…グレイ…っ」

「どうした。」

ピストンを続けながらグレイが優しく問うた。


「なんだか変な感じ…どうしよう…あぁっん」

「痛いのか?」

「ううん…そうじゃない。もっと続けてほしい…」


汗ばんだたくましい胸板に触れ、下半身にはグレイの情熱が押し寄せ、エマはこれまで感じたほどのない愛おしさを嚙み締めた。


やがて、なんだか下腹部が苦しくなってきた。

「ああぁっ…っ―――!」

異変をグレイに伝えるよりも先に、ピストンに波長を合わせるかのようにビシャビシャと体液が勢いよく漏れ出る。


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