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甘い蜜は今日もどこかで

第8章 【ずっといつまでも】






「とりあえず頑張りな?全部自分に返ってくるから」と何ともズッシリと重たいお言葉。
有り難く頂戴する。
吉原さんのその見返りはこのセレブな生活なわけですね、説得力あります。




「まぁ、腹決まったらまた話聞くわ」とだけ言い残して皆の輪の中に行ってしまった。
え、どういうこと!?
もしかして、今、カマかけられた!?




後でジロウに聞いたら「改めて話すことはあるけど今はとにかく仕事で恩返しさせてくださいって言った」らしい。
危なかった、もう少しでポロッと言っちゃうところでした。
そういうの上手いよね、吉原さんって。




皆より早く抜けた2人。
私もお酒は嗜む程度で止めておいた。
「全然飲んでくれて良かったのに」なんて言ってくれるけど
「ジロウと飲めるようになったらたらふく飲む」って宣言しとく。




今日もジロウの家にお泊まりして、明日は直接此処から会社まで送ってもらう。
普通に別々でシャワーを浴びて、寝るまで色々他愛もない会話して、いつの間にか寝てる……ていうスタンスでも全然良かった。
当たり前だったことが当たり前でなくなった時がどんなに辛いことなのか身を持って経験したから。




隣にジロウが居て、笑うと目尻が下がって優しい声で「おやすみ」「おはよう」って言えるのはこの上ない幸せだ。
これ以上は何も望まないから神様、ジロウとこれからも一緒に居させてくださいって強く思う。




電気を消してベッドの中、手を繋いで眠る。
今日も1日、ジロウを感じて終われた事に感謝してまた明日を迎える……その繰り返しで良い。
極端な話、生きてくれているだけで満足なの。




スーッと寝息を立てる私に隣でモジモジしてるジロウにクスッと笑ってジロウの方に寝返りを打った。
ギュッと握った手は離れずに。
おやすみ………そう呟いたのに。
何となく寝付きの悪いジロウはいつになくぴったりとくっついてきて。




(あれ?いつもと違う?)と思いつつ、違ったら悶々としなきゃならないからなるべく勘違いしないように目を瞑ってた。
そしたら頬にキスしてきたジロウが、目を開けた私に「良い?」と合図を送ってきたのだ。









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