テキストサイズ

甘い蜜は今日もどこかで

第8章 【ずっといつまでも】






テンパっちゃって敬語になってるし。
改めて薬指に嵌めてもらう。
サイズもピッタリだし好きなデザイン。
ジロウが頑張って選んで買ってくれた。
ジーッと見つめられて返事待ちしてるジロウは相変わらず可愛いね。
ソワソワしてる。




指輪つけてくれたから返事はOK……なのかな?って顔。
んふふ、もう少し意地悪したいけど、この空気耐えきれないね。




「料理、美味しそう、食べよ?」




「え…?あ、はい、食べます………いや、あの、返事は…?」




不安いっぱいな顔を見て吹き出してしまった私。
ウソウソ、ごめんね。




「ジロウ、ひとつだけ間違ってる」




「え、なに?」




「病室で言ったことはどれも本気だよ?でも、信じて待ってたんじゃない、私がそうするって決めたの、誰が何を言おうと邪魔はさせない、私がジロウを幸せにするの、覚えといてくれる?ジロウが居るから毎日頑張れるって前にも言ったでしょ?」




「う、うん……そうだね」




「どんなヘタレでも私がそれで良いって言ったらそれで良いの、ジロウじゃなきゃダメなの、何回も言わせないで」




「ごめんなさい」




「ぷはっ…!すぐ謝るとこ本当ヘタレだね」




「だ、だって……」




「はい、プロポーズ大作戦は成功しましたけどご満悦頂けました?」




「うん!ありがとう、良かったぁ〜」




胸を撫で下ろすキミが可愛くて仕方なくて、こんな場所でベタなプロポーズだったけど2人が築き上げてきた時間はかけがえのない宝物だよね。
サプライズとしてケーキも出してくれて周りからも祝福されてしまった。




誰よりも「ありがとうございます」と頭下げてるし。
ねぇ、恥ずかしいってば。




会社でも祝われたことを話せば目を細めて一緒に喜んでくれた。




「椿って第一印象は美人だから近寄り難いイメージを持たれるけど、仕事ぶりや人柄を見せた途端周りに人が集まるよね、そういうところも凄く好き、尊敬する」




何気に理解してくれていたり、突拍子もないこと言ってくるジロウの方が尊敬に値するよ。
ヘタレのくせに、持ち上げるの上手いね。









ストーリーメニュー

TOPTOPへ