甘い蜜は今日もどこかで
第9章 【離れない永遠に】
余裕なくて時間だけが過ぎていく…じゃなくて余裕も時間も自分で作るものなの。
最初からそういう考えな私は臨機応変って状況が一番好き。
頭の中で段取りを組み替えていく過程が楽しくて仕方ない。
グッチャグチャな状況であればあるほど燃えてくるのよね。
で、覚えさせた頃にまた別の店舗に私が指導に行ったりするからあちこち回る私を誰もが“接客の女神”と陰で呼ぶように。
新人や一緒に働いた人たちの心を奪うだけ奪って気付いたら昇格していた、なんて事が実際に起きてるからね。
「疲れたー!」
「お疲れ様、椿」
「ん〜癒やして癒やして」
同じ湯舟に浸かってジロウにもたれてる。
ギュッと後ろから抱き締められた時にもう当たってるのはお約束ね。
「ねぇ、早いよ」
「ごめん」
顔だけ向けたら優しくキスされて困っちゃうな、疲れてるけどムラムラしちゃう。
チャプン…と湯舟から音がして胸に回った指が乳首を愛撫してくる。
唇を舐められてキスの続きを。
のぼせちゃうよ。
早くベッド行こう?
舌が熱い。
おっぱい気持ち良くて声出ちゃう。
バスタブの縁に座らされてそのままクンニ攻め。
「あぁん……ジロウ、そこダメ…っ」
「椿の美味しいからもっと甜めたい」
「ベッド行こう?」
熱っぽい視線はすぐには止めてくれなかったけど1回イかせられてぐったりする私を抱きかかえお揃いのバスローブに身を包み、気付けばドライヤーされていた。
全部、ジロウ任せ。
家ではこんな甘えたな私なのです。
良いのかな。
いつか愛想尽かされちゃうんじゃ……?
「良いの、外ではバリバリ働いてるんだから家ではリラックスして僕に甘やかされて…?フニャフニャになって骨抜きにされててよ、好きで僕もしてるから」
「グズグズに甘えて良いの?」
「どうぞ」
「じゃ、今すぐジロウとセックスする」
「うん、そのまま寝ちゃうくらいトロトロにしてあげるね」
「ん………受けて立つ」
たくさん愛して。
たくさん愛し返してあげる。
何度もこの手を伸ばすから離さないでね。
病めるときも健やかなるときも
互いに愛し、慰め、助け合い
命のある限り誠実であり続けることを
ずっとずっと誓います。