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スミカ

第1章 105号室

気づいたら朝になっていた。
まだ薄いカーテンしかない窓から、朝陽が部屋の中を照らす。


俺は恐る恐る周りを確認した。
何かいる気配はない。
玄関の鍵も確認したが、ロックされていた。


「は………はぁぁぁぁぁぁぁ」


全身の力が抜け、俺はソファーに倒れこんだ。


「…なんだったんだよ、あれ…」


夢なのか、現実なのか…。
でも自分には霊感はない。
今までこんな体験もなかった。
だから夢を見たのかもしれない、悪夢を…。


俺は気を取り直して、バイトに行く準備をした。
「そうだ、今日は買い物していかないとな」と独り言を呟きながら玄関のドアを開ける。
するとちょうど隣の部屋のドアも開いた。


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