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スミカ

第1章 105号室

実はここから記憶がない。
目を覚ましたら、俺は玄関で寝ていた。
ドアのロックはかかっていた。


「夢でも見たんじゃないの~」


今まであったことを遊びにきた真理に話すと、真理は興味なさそうに足の爪に真っ赤なネイルをつけながら言った。


「真理って、赤好きだっけ…」

「うん、赤も好きだよ~」


真理の真っ赤な爪を見ていると、赤いハイヒールのことを思い出して嫌な気分になった。


「あたしが赤を選ぶ時はね…」


真理はおもむろに俺の首に腕を回した。


「…あなたと繋がりたい時なの」


珍しく真理から唇を重ねてきた。
正直そんな気分じゃなかった。
でも心とは裏腹に体は反応する。
俺と真理は貪るように体を重ねた。
こんな情熱的な真理を見るのは初めてだった。


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