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スミカ

第1章 105号室

そしてこんな時に、昼間セールス女に言われたことを思い出した。


『夜中は絶対外に出ないでくださいね』


なんで出たらいけないんだ…幽霊がいるからか?
それとも強盗?


どっちにしろ会いたくない俺はすぐにトイレから出ると、玄関の鍵を確認した。


良かった、ちゃんとロックされてる。
でもさっきの影は……まだ俺の部屋の玄関の向こう側にいるんじゃないのか?


そう思った俺は、足音を立てずにゆっくりと後退り、部屋のソファーに座って固まった。
そして一人よくわからない恐怖に怯える。
実家では夜中でも家族のイビキやら生活音がしてて、全く恐怖は感じなかった。逆にいつもウザいと思ってたのに、今ではそっちの方が良かったと思える。


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