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スミカ

第1章 105号室

そういえばこのマンションの住人の生活音を聞いていない。いくら閑静な住宅街だからって、ドアの開け閉めの音ぐらい、聞こえるだろ?


そうか、俺ちょうどみんなが帰宅する時間に寝てたから…。
夜中の2時だもんな、もうみんな寝てるよな。


そしてもう一度寝ようと、ソファーに横になった時、


コツン… コツン…


ハイヒールで歩くような音が外から聞こえてきた。


「……」


俺はその音に全神経を集中させる。


その音は遠くの方から聞こえてくる。
だけど徐々に近づいてくる感じがする。


「はぁ…はぁ…」


俺の呼吸が荒くなる。
なぜだか嫌な感じがして、冷や汗が出てきた。



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