
恋人は社長令嬢
第7章 金より地位より欲しいモノ
「松森君。今までは確かに、浮気だった。」
那々香の頭の中は、真っ白になった。
「ほら!!よく聞きなさい!!」
勝ち誇ったかのように、奥さんが那々香を指差した。
「だけど、妻に離婚してくれって頼んだのも、本当だ。」
「えっ!?」
「えっ?」
奥さんも驚いて、亮介の方へ振り返った。
「離婚が正式に決まってから……那々香、君に伝えようと思っていた。」
亮介は、那々香を真っすぐ見つめた。
「俺と、この先もずっと……一緒にいてくれないかって。」
「亮介さん。」
「ちゃんと、籍も入れる。那々香と一緒にいる事を、誰にも文句を言わせない。君の事は、俺が一生守ってみせるから。」
那々香は、まるで夢を見ているかのように、ボーっとしていた。
