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終焉告げる金色の蝶と死想の少女

第1章 死に魅入られた者

用件を済ませたその足取りで、駅へと向かうバスに乗り込む。まだ時間が早いという事もあり車内が空いていたため、定位置である一番後ろの席に座る。

流れゆく四季折々の風景。

鮮やかな桜並木も今では、新緑の眩しい季節になった。その先には金木犀通りもあって、秋になれば黄昏色に染まる。その儚い美しさを月伽は気に入っていた。


「そういえば希石先輩が淹れてくれた、金木犀のお茶は絶品でしたね。効能のことまで熱く語ってくれましたし」


金木犀の香りは、泡沫の香りだ。


淡く溶け込み、ほんの些細なことで消えてしまうような。泡沫市は金木犀でも有名だと聞いた。――それが誰だったのか、忘れてしまったけれど。


「また秋になったら、淹れてもらいましょうか」


そんな日が訪れるのを思い描いて、月伽は目を細めた。

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