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終焉告げる金色の蝶と死想の少女

第1章 死に魅入られた者

終点でバスを降りた月伽はそのままホームへと向かい、電車が来るまでの時間を読書で暇を潰した。


そしてホームに、臙脂色の泡沫行きへの電車が到着する。その瞬間を待ちに待った月伽は、春の煌めきを纏った少女のように、軽やかな足取りで電車に乗り込む。


これが死へと続く道行きなのだと思うと、それはたまらなく甘美で、愛しい。


月伽を乗せた電車がホームを去った後、若い男女のカップルが駅員を呼び止める。


「すみませーん、泡沫行きの電車にはここから乗ればいいんですか?」


すぐに返答が返ってくると思っていたのだが、駅員の反応は意外なものだった。


しばし沈黙し、それから困惑した様子でこう答えた。



「そのような電車はないですよ……?」


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