大人の俺と子どもの私
第1章 出会い
シーンとなった部屋で座ってたのを立ち上がって、
「…あの、すみません。俺が、余計なことしちゃったかな…」
怒らせて出て行ってしまったことを謝る。
「あぁ、いいよ、ほっとけば。いつもあんな感じだから。」
でもこれはいつも通りと言わんばかりに、呆れた表情で言った。
「あの子がこの家の最後の1人。上田紗南ちゃん。唯と同い年の、これから小4になる子ね。小1の頃からここにいるんだけど、もうずっとここの子たちとも馴染めないし、私たちもなかなか苦戦してる子。」
「そうなんですね…。」
やっぱり他の子とは少し違うみたいだ。
「とりあえず、いつも外に出てって、しばらくしたら帰ってくるから、他にやることあるから帰ってきたらまた話そっか!」
「わかりました。」
まだ午前中。
まだまだやることはたくさんある。