大人の俺と子どもの私
第1章 出会い
4月になったとはいえ、日が落ちるのはまだ早い。
「莉子ちゃん、あの、心配なので少し外探してきてもいいですか?もしかしたら事件とか事故に巻き込まれてるかもしれないし」
「うーん。。今まで普通に帰ってきてるよー?どこフラフラしてるのか分からないけど」
「でも、昨日までは何事もなかったかもしれないけど、今日彼女に何かあったら…」
今日彼女が出て行ってしまったのは、100%俺のせいだ。
このまま彼女が帰ってこなかったら、探しに行かなかったことを絶対後悔する。
「いいよ、仕事もそろそろキリいいし。最後夜ご飯だけみんなと一緒に食べてあげてほしいから、それまでには帰ってきてほしいかな」
少し呆れながらも、探しに行くのを許可してくれた。
「わかりました。ありがとうございます。」
そう言って、1人紗南を探しに出た。
夜ご飯まで1時間ちょっと。
小走りで、子どもが行きそうな場所を探していく。