大人の俺と子どもの私
第1章 出会い
急に親から引き離されて、知らない場所に入れられて、今日からここがあなたの家だよって言われたのを、よく覚えてる。
知らない大人と、知らない子どもに囲まれて、どうしたらいいのか分からなくて、そんな時“同じ家“に唯がいた。
元々幼稚園も行ってなかったし、友達という存在がいなかったから、よくわからなかったけど、同い年の人がいるのは嬉しかった。
お互いたくさん話したし、たくさん遊んだし、ずっと一緒にいた気がする。
ほんとの姉妹のように仲良く過ごしてた。
ある時、紗南がパパとの思い出の話をした。
すると、唯はすごい嫌がった。