大人の俺と子どもの私
第2章 新学期
新しいクラスは4年2組だった。
昇降口の入り口に貼られたクラス表を眺めてたら、朝の会ギリギリなのを思い出して教室に急いだ。
黒板に貼られた座席表。
一番廊下側の前から4番目の席。
苗字があ行だと大体1号車にしかならない。
「あっ!上田紗南ちゃん?!」
席に着くと後ろの席の子が声をかけてきた。
「おはよ!
私、内田栞!
これからよろしくね!」
挨拶してくれ、ニコッと笑いかけてきた子は、明るそうで目がくりっと大きくて笑顔が可愛くて、紗南とは対照的に感じるような子だった。
「あっ…よろしく…」
明るさに圧倒され、つい俯きがちになってしまう。
「紗南ちゃんって可愛い名前ー!
紗南って呼んでいい?私は栞でいいから!」
「あ、うん……あ、栞ちゃん…?」
「うん!!
エヘヘッ!
嬉しい!!」
次から次へと進む会話についていくのが精一杯だった。