大人の俺と子どもの私
第3章 栞の家族
しかし平日の参観日とあって母親が多いな。。
イケメンフェイスに、白シャツとスタイルの良さが分かる細身のパンツを着こなした22歳、男性。
明らかな場違い感にママさんたちからの視線をひしひしと感じる。
(あっ。いいとこあるじゃん。)
そんな中で取った場所は廊下側の窓。
目の前に座ってる紗南は気づいてない。
「ねぇ…。
ねぇ…紗南。」
小さい声で栞ちゃんが後ろから鉛筆で背中を突いてきた。
「…なに?」
先生に気づかれないように振り向くと、
「ねぇ〜、めっちゃカッコいい男の人きてる〜!
誰かのお兄ちゃんかなぁ?横見て!」