大人の俺と子どもの私
第3章 栞の家族
そこに、
コンコン…
ガチャ…
ビクッ!!
「お邪魔するー。
おかし持ってきた!」
秋ちゃんが入ってきた。
ローテーブルにお菓子と、コップにお茶を淹れてくれてる。
恋かぁ…。
秋ちゃんのことは好き。
パパと同じくらい好き。
でもこれは恋なのかなぁ…。
いや恋だとしても。
紗南が秋ちゃんに恋したところで相手にされないよね。
こんなかっこいい顔してるんだもん。
彼女いるのかなぁ…。
好きな人いるのかなぁ…。
どんな人が好きなんだろ…。
こんなガキんちょ、興味ないだろうな。
栞ちゃんに、このお菓子美味いよ。って言ってる秋ちゃんの横顔をつい眺めてしまう。
「紗南ー?どうかした?」
「…え!?っっちか!!」
気づいたらおでこがつきそうなくらいまで秋ちゃんが近くにいた。
近すぎる距離に明らかに動揺してしまった。
「アハハッ、そんなに驚かなくてもいいでしょ!!
何ぼーっとしてんのー?
お茶、淹れたからね。
じゃあ2人とも楽しんで!
なんかあったらすぐ呼んでね!」
そう言って部屋を出て行った。