大人の俺と子どもの私
第3章 栞の家族
帰り道。
「いつもお母さんが帰ってくるまで外で遊んでんの?」
下を向きながら歩く栞ちゃんに聞く。
「…遊んでたり、遊ぶ人がいなかったら家でテレビ見て待ってたり。」
まぁ、家に帰っても話す人もいなくて、毎日毎日家族を待つのは小学生には退屈だよな。
「…本当にごめんなさい、迷惑かけちゃって。
次紗南と遊ぶときは気をつけるから。」
顔を上げて明るく話そうとしてる栞ちゃんの顔はどこか寂しそうで…。
「お母さんとちゃんと話してる?
たまにでも早く帰ってきて欲しいって言えてる?」
つい立ち止まって言ってしまった。
「前にも言ったじゃーん?
お母さん仕事忙しいって。
私に構ってる暇ないんだよ。」
立ち止まってるのに気づいて一瞬振り向いたのに、前を向いて一人で歩きながら話してる。。