大人の俺と子どもの私
第3章 栞の家族
「お母さんのためを想ってるのは分かるけど、偉いと思うけど、寂しい気持ち押し殺してる栞、俺は嫌だよ。」
「嫌だって…言われても…」
「家庭環境に簡単に口出ししていい訳ないのはわかってる。。
けどもう少し栞は、家族とお母さんと向き合うべきなんじゃない?
まだ小4なんだし、もっと私との時間作ってって早く帰ってきてって、
わがまま、言ってもいいと思う。」
そう言うと苦笑いをして、
「……そんな簡単な事じゃないよ…」
と言う。
「分かってるよ。
でも、言わなきゃ何も始まらなくない?」
「…そうだけど…」
明るかった栞の顔がどんどん曇っていく。。
「もっと子どもらしく、自分の気持ち伝えていいと思う。
それで家族に何か言われたら、俺が栞の家族と話する。」
そこまで言われると思ってなかった栞は引き気味に笑ってる。
「えぇ?そんな大事にしなくても…」
そんな栞のほっぺを、秋は両手で優しく包む。
顔が上がって目が合って、