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👠ツンデレラ👠

第1章 ツンデレラ



「ごめんなさい」

レイは王子の手を振り払うと、ドレスを掴んで駆け出します。
途中、片方の赤い靴が脱げてしまいますが、時間も無ければ後方から追ってくる王子に追いつかれる訳にもいきません。

階段に赤い靴を置き去りにしたレイは南瓜の馬車に乗り込みます。

無事、屋敷まで到着する事は出来ましたが、白馬も馬車も砂のように消え去り、レイも見慣れた服を着た元の男の姿に戻ってしまいました。

ですが唯一、レイの足に赤い靴が残されました。

レイはその靴を脱ぐと、近くの湖へそれを投げ入れます。

もう男の身となった自分に王子様は振り向いてくれる筈はないと確信したからです。

ぽちゃんと音を立てて赤い靴もレイの涙も湖の奥深くへと沈んでいってしまいました。

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