👠ツンデレラ👠
第1章 ツンデレラ
「ああ、自己紹介がまだでしたね。
私は魔法使いのリチャード・ウォーカー。
ツンデレラ、貴方様を助けに参りました。」
「助けを呼んだ覚えは無いし、俺はツンデレラじゃなくてレイっていう名前があるんだけど...。不審者は出ていってくれる?」
「不審者だなんて...酷い言い方をするお人だ。」
「自分を魔法使いだとか言ってる時点で十分怪しいよ。」
「病に悩まされ働く事さえままならないツンデレラ。おまけに性別の問題で次期国王に片思い中...違いますか?」
「ッ!何でその事を....まさか盗聴?」
「魔法使いの能力ですよ。」
「・・・。なんだよ。じゃあ俺がどれ程惨めな男か分かってるんだ。」
「その悲観的な考え方を直して頂ければ、童話『シンデレラ』になる事も可能かと。」
「俺は男だから今日の舞踏会には行けないよ。」
そう言って溜息を吐くレイの手の平にリチャードは小さな小瓶を渡しました。
「その中に入ってる青い液体を飲み干せば貴方は女性へと変貌する事が出来ます。」
「・・・・。嘘だ・・・。」
「信じられない話ではあるかと思いますが、事実です。」
「・・・・。本当に女になれるんだね?」
「なれますよ。」
信じて飲むか、信じずに返すか迷いましが、意を決してレイはリチャードを信じて液体を飲み干しました。
「!!」
その途端、レイは眩い光に全身包まれます。目を開ける事も出来ません。
やがて光が完全に消え去るとレイは取り付けられた鏡の前に立ちました。