テキストサイズ

狂愛の巣窟〜crossing of love〜

第6章 【渦巻く愛憎と独占欲に囚われても…】








2人きりの寝室。




ベッドの上でクッションを背もたれに座る私のお腹あたりにしがみつくように抱き着く亨さん。
髪を撫でてあげると嬉しそうに微笑む。




あの後、一颯くんは何も言わず帰ったそうです。
亨さん曰く、親子関係にヒビが入ったとかではないから安心して、だそうです。
「アイツはそんなヤワじゃない、だから本気で牽制しとかないと一番厄介なヤツだよ」と。




久しぶりに見る、亨さんのハの字眉毛。
あんな独占欲に塗れてSっ気出していたのに2人きりの時はまるで真逆で優しく私を気遣う。




「アレで良かった?間違えてない?」




不安そうに顔を覗き込んでくる。
安心させる為に頷いて笑顔を向ける。
「良かった…」と更に抱き着いてくるの。
可愛くて仕方ないです。
大人な亨さんも子供な亨さんも共存していて惚れ直す瞬間です。




顔を上げるので自然と重なる唇。
熱い視線が逃してくれない。
中出しは、結局しなかったそうです。
私の意識がない状態だったのでお腹に掛けたと。




「いつかまた皆で集まった時に今度こそ種付けして良い?」




2人きりの時…じゃなくて、皆の前で…なのね。
一気に牽制したいのかしら。
そんなことしても…と思うけれど、私はあなたを尊重する。
照れて笑って頷いた。




でもごめんね、亨さんは私に妊娠を望んでいるのかも知れないけど私は違う。
妊娠しないように出来る範囲のことはもうしてあるの。
毎月ちゃんと生理はあるし周期も把握してるだろうけど、望まない妊娠を防ぐ為に内緒でIUD(子宮内避妊具)を装着している。
結構前から。
だからピルを取り上げられても妊娠する確率は限りなく低い。




隠れて飲んでるって思ってるよね?
飲まないでって言うくらいだから。
生理痛を和らげる為に飲んだりするけど飲み忘れる等のリスクもあるから。
避妊リング…とも言うらしいけど、私にはそれが一番合ってる。
最初は痛みもあったけど今は大丈夫。
定期的にクリニックにも通っているし、知られたとしても定期検査だといくらでも誤魔化せる。




でもそれをカミングアウトしちゃえば中出しし放題だと思われてもいけないから死んでも言わない。










ストーリーメニュー

TOPTOPへ