狂愛の巣窟〜crossing of love〜
第8章 【戻れないのなら一緒に乗り越えてください…】
ごめんね、雑念が多いみたい。
アレを経験してしまったからこそイキにくい身体にされてしまったのだろうか。
これぞ、あの人の復讐だったのではないか。
そう思うと口角が上がり、燃え滾るのです。
「デートする?恋人っぽいことしよ」
「うん!その前に一緒にシャワー浴びる!」
「お風呂ではシないよ?すぐ用意したいし」
「うんうん!」
良かった、機嫌直った?
「あと、恋人っぽいじゃなくて恋人だからね?」と念を押してくるところが可愛い。
身体を洗い合いっこしてたら割れ目をなぞってきて。
「イケてないから辛くない?」
「ん……大丈夫だよ」
「クンニしようか?」
「コラ、お風呂ではシないって言ったでしょ?」
「だって爺ちゃんとかとはあんなにイってたから…」
「一颯」と真顔で呼んだらハッとした?
「ごめん」って謝らせたい訳じゃないの。
濡れた前髪を整えてあげる。
「私が好きなのは一颯くんよ、何でそんな事言うの?信じられなくなった?」
「ち、違うよ!ごめんね、ただのヤキモチ……僕も十和子さんが一番大好きだよ」
首の後ろに腕を回して
「ダメ、私が納得するまでキスして」と言ったら秒で塞いでくれたね。
キスで誤魔化してこっちこそごめんね。
「もっと……そんなもんなの?」って煽ってごめん。
また勃たせちゃったね。
唾液の糸を引かせながら「愛してる」と言ってくれたこと、嬉しかったよ。
おめかしして一颯くん好みのコーデにしたよ。
マーメイド風の黒のキャミワンピースに白の鍵編みニットカーデを羽織る。
髪も巻いてプレゼントしてもらったピアス着けたら満面の笑みだね。
腕を組んでぶらぶら歩きデート。
「なんか、リンクコーデしちゃったね」
一颯くんも今日は黒のオーバーシャツのセットアップで中は白のTシャツ。
「こんにちは」
外に出たらすぐに遭遇してしまった隣人の中岸さん。
今は1人で奥さまは居ない。
もう職場へ向かわれたのだろう。
おそらくまだ何も知らない様子。
「こんにちは」と挨拶を返す2人を見つめて何を思いますか?
ギュッと腕を掴んで恋人のように歩いていく私たちをどんな気持ちで見過ごしているの。